2010-04-25
研究をしていて,将来に対して不安を持ったり,悩んだりする事はしばしばあります.大学院生からポスドクですと,研究を続けていて,職を得る事が出来るのだろうかと不安になるわけです.私自身,社会保障がきちんとなされる職に就けない時期が,今までで通算2年間ありました.
こういう時に,「あなたのやりたい研究をサポートします.うちに来て,お好きな研究を存分にやって下さい.生活も保障します.」という誘いが来たらどうなるでしょうか.悩んでいる人の一部は,誘いを受けて行ってしまうのではと思います.
ところが誘ってきた団体は,最初のうちは研究のサポートを存分にしてくれるものの,だんだんとその団体の目的とする事をさせるようになります.そして,その団体が実は「国家を暴力で転覆させる」事を目的としていて,そのための作戦の片棒を担がされ,国を震撼させる無差別テロを実行することになったら…
この話,フィクションでも外国のどこかの国の話でもなく,ほんの15年ほど前の日本の話です.この事件の時,行き詰まった研究者たちの処遇について,若干の議論があった様な気がしますが,具体的な改善策は見出されていないようです.むしろ15年前よりも今の方が,状況は悪くなっているようです.
さすがにこういう暴走が繰り返される可能性は低いと思いますが,昔の勤務先の大学から「教室におけるカルト集団やマルチ商法の勧誘について」という注意メールが来たので,ふと思い出して書いてみました.
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